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2010年4月15日 (木)

『The Hurt Locker』

第82回アカデミー賞で作品賞など6冠に輝いた

キャスリン・ビグロー監督作品『ハート・ロッカー』。

現代戦をテーマにした作品がアカデミー賞に輝いたとあっちゃあ、

自称『ミリタリーマニア』のパパとしては観に行かない訳には行くめぇsign03

って事で、早速映画館に出かけて来ましたよ~happy02
(以下、多少のネタバレを含みますので、ご注意を!)

Img_5242_2

   

舞台は2004年のイラク、バグダッド郊外。

アメリカ軍の爆発物処理班は、死と隣り合わせの前線の中でも

最も死を身近に感じながら爆弾の処理を行うスペシャリストたち。

ある日も爆弾の処理を行い、退避しようとした瞬間に突如、爆弾が爆発。

一人が殉職してしまう。

新しい中隊のリーダーに就任したウィリアム・ジェームズ二等軍曹は、

基本的な安全対策も行わず、

まるで死に対する恐れが全くないかのように振舞い周囲を戸惑わせる。

彼はあたかも死を望むかのように、

ほとんどギャンブルのような危険な処理を率先して行うのだった・・・

Img_5236_2

   

2004年のバグダッドが舞台と言う事は、

2003年3月のイラク戦争開戦後、約1年と言う設定ですね。

未だに(2010年4月現在)イラク国内ではテロが絶えない状態が続いていますが、

2004年は今以上に厳しい、一番混乱していた時期と言えるかもしれません。

今回はそこで活躍する爆発物処理班の活躍を描いています。

爆発物処理班にスポットを当てるとは、なかなかにマニアックなチョイスshine

どうしても地味~なイメージがありますからねconfident

しかしこの爆発物処理班、現代戦には欠かせない存在なのです。

一般的に戦死と言うと、銃で撃たれて・・・というイメージがありますが、

実はイラク戦争でのアメリカ軍戦死者の4割は、

『IED』と呼ばれる即席爆発装置にるものだと言われていますcoldsweats02
(もちろん多数のイラク国民も『IED』の犠牲になっています)

最近の『IED』は性能も上がっており、装甲車を破壊出来たり、

はてはアメリカ軍の第3世代MBT『M1エイブラムス』の側面装甲を

破壊出来るものまであるとか・・・sweat01

起爆方法も多様で、巧妙にカムフラージュされ発見し辛い『IED』は、

現代戦における最大の脅威と言っても過言ではありません。

なので、現代戦において爆発物処理班は、

欠かす事の出来ない重要なポジションなのですsign03

   

さてこの『ハート・ロッカー』、イラク戦争が舞台と言う事で、

主人公のジェームズがヘルメットとベストにウッドランドを使用している以外、

全員がACU装備で身を固めております。

Img_5234_2
ウィリアム・ジェームズ二等軍曹
ACU柄のBDU上下に、ウッドランドのヘルメットとベストと言う
珍しい組み合わせ。
演じる俳優さんは、『SWAT』のギャンブル役でおなじみの
ジェレミー・レナーさんです。

ならばパパもACUで観に行かなければ失礼に当たる、

という事で、パパもしっかりACUを着用して鑑賞して来ましたよ~smile

Img_5251_2

↑の写真はあくまでイメージです。

本当はパンツのみACUで観に行きました。

もちろんM4も携帯しておりませんし、そらもお留守番ですdog

このような格好で本当に劇場に足を運ぶと、

かなりの高確率でK察さんのお世話になってしまうので、やめましょうbleah

ただ、パパの記憶が正しければ、ACUが配備され始めたのは2005年。

2004年の時点ではまだ3カラーデザートだったんじゃないのかなぁ・・・coldsweats01

な~んて\(´∀\) 野暮な突っ込みは (/∀`)/こっちに置いといて、

”何時の間にACU上下で揃えたんだ?”とか、

”パッチはどこのだ?”とか、

”バラクラバも買ったんか?”とか、

色々疑問点もあるかと思いますが、それはまたの機会にsmile

   

んで、『ハート・ロッカー』の感想ですが・・・

正直あんまり面白くなかっ なかなかに面白い作品でした。

爆弾処理の過程も なんだか退屈 緊迫感があってグッド。

さすがアカデミー賞受賞作品だー(棒読み)

   

・・・まぁ、ね、アカデミー賞って事でハードル上げすぎたのかな?sweat01

期待程には面白くなかったってのが正直なところですcoldsweats01

”戦場を淡々と描く”という意味では

『ブラックホーク・ダウン』と手法は似ていますし、

特に反戦的なメッセージを押し出していない点も共通しています。
(見方によってはどちらとも取れます)

主人公をただの戦争中毒者(ウォージャンキー)として扱わず、

現地の少年との交流などで人間らしい一面を見せているのは好印象up

観客の心が主人公から離れないように施されたこれらの演出は、

さすが女性監督らしいきめ細かさと言ったところでしょうかconfident

”誰が敵なのか分らない””周りの全ての人が敵に見える”という

極限のプレッシャーの中、次第に壊れて行く兵士達の心。

現代戦の”戦場”と言う”異常”を見事に表現し、観る者の心を圧倒します。

でもね、でもね、こんだけ面白い要素満載だし、実際面白いんだけど、

そこまで言うほど、面白いとは感じなかったんですよねぇ・・・sad

夜間での索敵を3人バラバラで行うとかありえないし、

基地を抜け出しての単独行動の顛末とか

本当に必要なシーンだったのか不明だし、

正直”コレでアカデミー賞なの?”って感じです。

   

でも、スーパーマーケットでシリアルが左右の棚一杯に並んでいるシーンは

個人的にとても秀逸だと感じました。

目の前に壁の様に立ち並ぶシリアル。 左右を見渡すジェームズ。

その余りの選択肢の多さに、半ば呆れかえった様に適当にシリアルを選び

カートに投げ入れ、そして苛立たしくポップチラシを叩く・・・。

彼の前後の行動や言動から、初めは

”俺にとって大切な物は此処には無い””俺には戦場しかない”

と言う彼の異常(ウォージャンキー)さを際立たせる為の演出かと思いましたが、

後になって考えて、自分が同じ状況に置かれたらどうするだろうと想像したら、

やはり途方も無い程の選択肢を目の前にしたら、ジェームズと同じ様に

半ば投げやり的にシリアルを選んだんじゃないかなぁと・・・。

つまり、”大切だと感じる物が違う”だけで、

ジェームズも私も”大した違いは無い”のではないかと思ったのです。

監督が本当にそういう意図であのシーンを入れたのかは定かではありませんし、

日常の何気ないワンシーンに過ぎなかったかもしれません。

でもそう思った瞬間、私の中でジェームズが遠い世界の戦争中毒者ではなく、

一人の身近な人間に感じる事が出来たのです。

たった数秒間の短いシーンですが、私にとってとても印象的なシーンですconfident

   

   

映画を見終わった後、私の心に残ったのは”悲しみ”という感情でした。

戦争なんてなければ、ジェームズの心が壊れ、

ウォージャンキーになる事も無かったんじゃないか?

まだ幼い我が子にジェームズが語りかけるシーンを思い出す度、

とてもいたたまれない気持ちになります。

やっぱり戦争なんてろくなもんじゃねぇなぁsad

   

ミリタリーマニアと言う事で、パパの事を

戦争大好き人間だと思われている方も多いかと思いますので、

ここで一度ハッキリさせておきたいと思います。

パパは戦争反対派です。

世の中から戦争が無くなる事を強く、強く、願っています。

嗜好と意向が矛盾している事は解っておりますが、

これが偽らざるパパの本心です。

”真剣を使った命の取り合いは嫌い”だけど、”剣道は好き”

っていう感覚と同じ様なものと言ったら、少しは伝わるでしょうか?

まぁとにかく、人間同士の命の取り合いなんて御免だって事ですbearing

   

今現在もイラク、アフガニスタンの両国に部隊を展開しているアメリカ軍。

どちらも”泥沼化”していると言ってもいい、酷い有様です。

その凄惨な現実を多くの観客にしらしめた今作は、

それだけで存在価値のある作品だと言えるでしょう。

そういった意味でなら、アカデミー賞受賞も頷けます。

でも、”アカデミー賞作品だから面白い作品”だと思って観に行くと、

ガッカリしちゃう方も多いかもしれません。

決して万人受けする作品では無いと思います。

また、どうしたってアメリカ映画ですから、米軍兵士の視点からしか描かれず、

イラク人の心境等は全く描写されません。

あくまで”米軍兵士はこんな異常な状況下で頑張ってるんだよ”

っていう事を伝える為の作品です。

”そんな事言っても、イラク戦争はお前らが仕掛けたんだろ?
 自業自得じゃん!!”

な~んて突っ込みを入れたくなっちゃう人には、きっと向かないでしょう。

それでも現代戦がいかなる物なのか知りたいという方には、是非観て頂きたい。

きっと、とても同じ地球上で起こっている事とは思えない”現実の一部”

目の当たりにする事になるでしょう。

この作品がアカデミー賞に選ばれたと言う事実が、

アメリカの対外戦略に変化をもたらす一助となる事を、心から願って止みません。

いつか、戦争の無い平和な世界が訪れますように・・・confident

   

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コメント

お久しぶりです~♪
どんぐりパパさん・・・
あの・・・・そらくん
固まってます(笑)
私も戦争反対です!!

投稿: haruka | 2010年4月23日 (金) 14時18分

harukaさんへ
ご無沙汰してます~、お正月にお会いして以来ですかねcoldsweats01
今シーズンは全然ショー会場にも行けなかったので、
皆さんにお会いできなくて寂しい限りです・・・weep
5月の連休は少しは休めそうなので、
何とか皆さんにお会いできないかと
そらと一緒に企んでおりますよ~smile

投稿: どんぐりパパ | 2010年4月26日 (月) 23時25分

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